【読書録】いま君に伝えたいお金の話

読書録

■タイトル
いま君に伝えたいお金の話
■著者
村上 世彰 氏

■感想
「お金の授業」の教科書だ。解説で藤原 和博 氏が一言で示す通りである。
子供向けにわかりやすく「お金の話」が展開される。

結論から言うと非常に良い本で、子どもが出来たら必ず一緒に読むつもりだ。
「モノの値段とは?」から「投資判断時の期待値計算」まで一通りの概念を教えてくれる。

またこの本は「お金の授業」を受けずに育った大人こそ読むべきと感じる。
日本の学校ではお金のことをほとんど教えないという指摘から入るが正にその通りである。

大人になったらサラリーマンになる。
それ以外に収入を得る方法がまるで存在しないかのように、育てられていないか?
そんな疑問をぼんやりと感じていたのだが、この本の指摘でスッキリした。

そしてお金の話以外にも重要な人生論が記載されている。
・お金と仲良くなる方法の解説の途中で「仲良くなるとは?」の定義の記載がある。
 ここでの定義はお金に限らず、すべての人間関係に当てはまると感じる。
・ビジョンとミッションの関係についても言及されている。
 子どもの頃にこれが理解できたら大成すると思う。
 野球の大谷選手も活用した「マンダラチャート」が書けるようになるだろう。
・村上氏がお金に精通することができた背景に父の教育方針を挙げている。
 子に社会の仕組みを教え・体験させられる親になりたいものだ。

最終章はお金の使い方について記載されているが
メインテーマはなんと「寄付」である。
百戦錬磨のプロ投資家であった著者が寄付に疑問を抱きつつも
ご夫人との議論・調査・実践を得て、ひとつのお金の使い道として
「寄付」という選択肢について経験を教えてくれる。

「7つの習慣」にもあったが、やはり成功する人は
自然と「公的成功」の道に辿り着くのだと改めて認識した。

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